「こなちゃんだ!ありがとう、湊!」


出てきたこなちゃんをぎゅっーと抱きしめる。


こなちゃんを抱きしめるその顔は可愛くて、俺は世界1大好きだ。


無邪気な笑顔で癒される。


「こなちゃん、世界で1番大好き!」


なんとなく嫉妬心が生まれるけど、クマのキャラクターに嫉妬する彼氏。


どんだけ器小さいんだ、なんて思われたら困るから口には出さないけど。


ちょっと負けた気がして悔しい。


こなちゃんがまだ女の子という設定ならいいけど、かわいい顔して実は男の子、らしい。


こなちゃんを愛おしそうに見つめるふうちゃん。


残念ながらその笑顔が好きすぎるんだ、俺は。


「俺は世界1ふうちゃんが好き」


「えっ、湊なんか言った?」


ゲーセンの騒がしさに、俺の小さな呟きはふうちゃんには届かなかった。