(みなとside)


「かわいい~湊見て!こなちゃん!」


とあるゲームセンター。


俺佐野湊は彼女の池本楓華、あだ名はふうちゃんと一緒にデートをしていた。


俺とふうちゃんとの出会いは高1で同じクラスになったとき。


はじめは特に接点もなかったけど、ふうちゃんと俺が同じ放送委員になったのをきっかけに、仲良くなった。


俺が告白したら、恥ずかしそうに顔を赤らめながら「うん」と言ってくれて、付き合い始めた。


あれから1年、俺たちは順調な学校でも公認のカップルだった。


「取ってやろーか?」


こなちゃん、それはふうちゃんの大好きなキャラクター。


ゆるい顔をした可愛らしいクマの子。


UFOキャッチャーの景品になっているこなちゃんのぬいぐるみを見て興奮しているようだ。


「やったー!」


UFOキャッチャーは俺の特技。


中学生時代、当時つるんでいた3人組と毎日のようにゲーセンに通って、UFOキャッチャーにお金をつぎ込んでいた。


そのせいで、なかなかの腕前。


こなちゃんもカンタンに取れた。