「いっ…!」 足のかかとに鋭い痛み。 靴底から画鋲が刺さっていた。 気付かずに踏み込んでしまったせいでだいぶ深く刺さってしまった。 痛くて抜く事も出来ない 登校してくる人がまばらなこの時間、幸か不幸か周りには誰もいなくて その場にうずくまって、膝に顔を埋める。 今までで怪我という怪我はさせられたことがなかったのに 「どうして…」 唇を噛みしめても溢れた涙は止まらない。 きっと単純に画鋲が刺さった痛みのせいだけではない。