「ふーうーかーちゃん。おはよ」 まだ静かな下駄箱の空気を揺らして耳に届いたのは 「せ、先輩、おはようございますっ」 桐原先輩の爽やかな声。 あれこれ考えていたことはどこかへ吹っ飛んだ。 さっそくさっきスマホを放り込んだカバンを開けてハンカチを手に取る。