花萌ゆる、恋。



「だ、ダメだよ!授業ちゃんと出ないと!」


ズイッと藤井くんの前に出て忠告する。

そんな私の言葉に藤井くんはぱちくりと目を大きくあけた。

周りの子たちも驚いたのか一斉に私を見た。

あやはこらって私の肩を掴む。


「まだ1年生なのに授業サボって…
そんな事してたら私みたいに馬鹿なっちゃうよ!」

「ブッ」


今あや笑った?

後ろで笑い声が聞こえ振り向くとお腹を抱えてあやが笑ってる。

ちょっと、私真剣なんだけど!


「はー、笑った。もういいよ、いのり。
授業遅れちゃうから行こう」

「えっ、でも…」


あやは涙を拭きながら(泣くほど笑ったのか!)私の肩をもう一度掴んだと同時に藤井くんが私の手を取った。


「な、なに…」

「うん。分かった」

「へ…」


それだけ言って藤井くんは掴んだ手を顔に近づけるとチラッとこっちを見る。

何するの?と思った瞬間。


「チュッ」



手の甲にふにゅっていう温かい感触が伝わってきて、私の理解が追いつく前に藤井くんは手を離した。

校舎裏であった藤井くんの友人2人が「あーあ」なんて呟いてる。


え?今のって……


「またね、いのり先輩」


藤井くんはニコッと笑って正反対の方向にみんなでゾロゾロと歩いて行った。