テレビの横に置いてあるモノ…
引きつけられる様にそれがある場所へと行く。
やっぱり…。
少しためらったが彼の大切なモノに触れてみる。
「あっ…これって」
やっぱ、加奈子の言っていた様に…
あたし達の高校時代に流行っていた10年程前のCDがあった。
そして、あたしも買った記憶があるモノだった。
麻生 健永の大切なモノ。
ほんとに大事にしてるんだな…なんて嫌でも実感してしまう。
10年程前のモノなのにとても綺麗で…
その綺麗さが…大切にしている事が、
彼が相手を想っている想い…
凄く…大事で好きなんだな。
なんて思ってしまった。
彼に想い人が居るのはわかっていたけど…
目の前にすると、やっぱ辛いな…
彼の想いがこのCDに溢れ出ているから…
彼の相手に対する想いが実感してしまって…
あたしの心を想像以上に強く押し潰した。
彼が好きなら幸せになって欲しいと思うのと、
彼が好きならずっと側に居たいと思う気持ちが…
あたしの心を交互に行き交って…
あたしの気持ちを苦しめる。

