「ねぇ、熱どのくらいあるの?」
お粥を食べて薬を飲んでいる彼に問い掛けた。
「あぁ~…わかんねぇ」
「計ってないの?」
「…うん。計るヤツないからな」
…やっぱり!そんな気がした。
「…これっ!」
買い物している途中で…
買ってしまったモノ。
想像したら家に無い様な気がしたから買ってみたんだけど…
体温計を袋から出し彼に見せると…
「買ってきたの?」
「うん…無さそうな感じしたから」
箱から体温計を取り出すと彼の手の平に乗せた。
あたしの予想的中!!
こんな事でも凄く嬉しい…
良かったぁ~…体温計買っといて!
「何してんの?」
体温計を持ってあたしを呆れ顔で見ている彼。
「えっ…説明書読んでるだけだけど…?」
あたし、なんか変な事してた?
周りをキョロキョロ見渡してみる。
「フッ…お前、おもしれーな!」
鼻でバカにする様に笑った彼。
でも、彼が一瞬見せた笑顔が優しく見えたのは…
あたしの目が貴方しか映っていないから…?

