あの日…


彼とばったり武人の店で会って、ゲーセンに行って帰りに送って貰った日。



家まで無事に届けてくれた彼が…



「さっきの話なんだけど…」



急にそんな話振られても理解出来ないあたしに…


「悪いと思ってるなら…」



そう言った彼の言葉にあのゲーセンの入口で話した事を思い出した。



「悪いと思ってるなら?」



あたしがそう聞いてみると…

彼が思いがけない事を口にした。



「…携帯の番号教えて」


って…



少しだけためらってしまったけど…

素直に携帯電話を彼に差し出し赤外線でお互いの番号を交換した。



また、あたしに会いたいと思ってくれてるのかな?


なんて、その時は思ってしまっていたけど…



あたしの携帯電話にハッキリと刻まれた…
麻生 健永の文字は未だ映し出される事は無く…


一週間が過ぎた。




あたしから連絡するのも気が引けるし…



ここは彼からの連絡を待つと決めたあたしだけど…



「…はぁ~…」



考え過ぎて溜め息しか出てこない。