「夕佳里っ!…彼氏欲しくなぁ~い?」




照明を少し落とし、観葉植物がちらほら置いてあるここのbar。


カウンター席に隣り同士で座っている加奈子が、
甘ったれた声を出し
ニタッと笑って視線を送って来る。



なぁ~に…

その企んだような笑顔。

あたしにそんな甘ったれた視線と声は通用しないよ。




「…彼氏なんていらないよ」




加奈子の熱い視線も虚しくあたしが素っ気無く答えると、
一瞬で加奈子の瞳が鋭くなった。




「またぁ~それ~?どうしてよ欲しくないのよっ!」




ったく…

どうせ、あのお誘いなんでしょ?

何回断ればいいのよ。




「合コンなんて行かないよ…
まずあたしを誘おうとするのが大間違いっ!!」



加奈子はいつもあたしをこうやって合コンに誘う。


彼氏欲しくない?なんて聞かれてあたしはいつもNOの返事しか出さない。


いい加減わかってよ…


あたしには要らないの!!


彼氏なんて存在はっ!!