だけど、ちょうどその時あたりから、もやもやとした気持ちが私の心を覆うようになっていた。
陸は。
陸とは、どうなっちゃうんだろう。
はじめは、その程度の漠然とした気持ちだったのに、だんだんとそれが私の中ではっきりとしたものになっていった。
陸と次は何を話そう。
何を話せばいいんだろう。
そのくらい、私と陸の間ではいつも頼斗の話題で持ちきりだった。
…っていうか、私が頼斗の話しかしなかったんだ。
頼斗と釣り合うだけの優秀な女の子になりたくて、実力もないのについつい強がってしまう私をちゃんと知っていて、それでいて見守ってくれるのは陸だけだった。
陸と話しているときだけは、普段の私よりもちょっとだけ、弱気でいられた。
それが、自然体の私だった。
それに気づいたときからだろうか。
陸のことを急に恋しく思ってしまうようになったのは。
すごくわがままな話かもしれないけれど。

