でも、頼斗を好きになって、私は変わった。



前よりも明るくなったし、口数もずっと、ずっと増えた。

おしゃれにも前より気をつけるようになって、自信もついた。


私は頼斗に選ばれた人なんだ、って。
ちょっと偉そうだった時もあった。





だけど、どんなに私が変わっても、どうしても変わらないことが一つだけあった。




それは、頼斗の前では、全くもって自信が持てなかった、ということ。

だから、生徒会では、いつも目立たないようにしていた。


嫌われるのが、がっかりされるのが怖かった。






文化祭の最後の日。

私は頼斗に振られた。
彼女がいるって言われた。



なんで今までそのことに気づかなかったんだろう、って思った。


こんな完璧な人間、モテないはずがないのにね。


だけど、その時は全っ然、諦めきれなかった。




彼に相応しい人間だなんて、一度きりだって思ったことなんてなかったのに。