太陽に手を伸ばしても





私のことを、あの、人気者の頼斗が意識している?

いやいや、そんなこと。あるわけない。




でも。

頼斗は私のことを推薦してくれた。

この学校にたくさんいる女子の中から、私だけを推薦してくれた。

一緒に生徒会の仕事をしよう、って、私をここに招き入れてくれた。





それって、ひょっとして、、、って、期待してしまったんだ。








完全に目が眩んでいた。

頼斗はみんなのアイドル。

みんな、この学校の女子ならかっこよくてなんでもできる頼斗が好きだった。



だけど、あくまでも彼はみんなのアイドル。

誰のものでもない。




そんなはずだったのに、私は急に頼斗のことを意識し始めた。



会議中、行事の準備中、気づけば私の目は頼斗を追いかけていた。

今までの私の頼斗への「好き」は別のものに変わった。


それまでずっと大好きだった、陸のことを置き去りにして。




頼斗への思いはさすがに女友達には言いにくかったから、幼なじみの陸に聞いてもらっていた。



最初はなかなか気が引けた。


だって、私の好きな人は、初恋の時から陸だったんだから。

だけどそんなのもそのうちすぐに慣れた。

私の頭の中は、頼斗でいっぱいだったから、そんなことどうでもよくなってしまったのだ。