太陽に手を伸ばしても





「女子が男子を迎えに行くのか。なんか画にならないなあ」


「涼!ちょっと黙ってろ!もう画なんか気にしてらんないんだよ!!」




何?画??え???






「これじゃ陸にはなんにも見せ場がなくなっちゃうじゃん、花持たせてあげようよ、陸には」


「かえでもいちいちうるせえな、ちょっとしばらく俺に喋らせろ!!」





陸の見せ場??え?花を持たせる?

さっきからほんと何…





「もういい!集合時間まであと少ししかないぞ!千夏、行って来い」


「行って来い、って何?なんで私だけなの??みんなも行こうよ。もうこんな風にはぐれたくないよ」





「あのねえ、千夏ちゃん。これはそーゆうことじゃなくて……」
 


なぜか妙にじれったそうなかえでちゃんを智己はまた大声で制す。


「もういいんだよ!千夏だけでいけよ!で、ついでに…」

急に智己の声が小さくなる。






「陸に、告ってこい」