太陽に手を伸ばしても









 

「何、それ。人のこと巻いといて、どういうこと?…メッセージ、見ても、くれないし。みんなもさ、一緒だよ。ひどいよ」



息が上がって、ちゃんと話せない。



みんなは何も言わず、ただただ気まずそうにこっちを見ている。







「千夏、こっち来ちゃったんだな」

もう一度残念そうに智己が言った。




「ねえ、さっきからどういうことなの?」

もう智己の言ってることが全っっ然わからない。




「陸のやつ、今ここにいるから」


私の質問をさっぱり無視して差し出された智己の携帯には、見慣れない地図が映し出されていた。




「迎えに行ってやってくれないかな」





ここで、陸がいないことに初めて気づいた私。




「陸、なんでいないの?」



「突然のことで済まないんだけどな、陸はお前を探してるんだ。会いに行ってやってくれ」