僕は、一体なんだ?だれだ?
いじめられる少年。
優しくない少年。
つよがりな少年。
かわいそうな少年。
いらない少年。
体の震えが止まらなくなり、机を叩きつける。いらない存在。そんな事はないと非難しながら、心のどこかで、
やっぱりそうか
認める自分がいて。
涙は、知らないうちに出てくる。そんな僕を不快そうに見るクラスメイトさえも、今はどうでもいい。
「おい、大丈夫か?」
帰ってきた拓也が、僕を心配そうに見つめる。その光景に、僕はまた我知らず涙を流す。
「お、おいおい…何があった!?」
あせる拓也を見る。
「なんでもないよ」
涙を拭いながら言った。
その時に見た。拓也の、あのときの顔。
僕の世話するのが面倒くさいのか。
そんなに嫌な顔してまで付き合ってるのか。なんだよ、それ。そんなに、嫌いなのかよ。
僕は一言いって、教室を飛び出した。
「もう、いいよ」
人を押し退けて、走る。走る。どこにいくかも決めてない。裸足のまま僕は外に出た。
また僕は泣いていた。
弱虫
この弱虫
僕が僕に話しかけると、僕はまた泣いた。
裏庭の木に寄り添った。
どうして、こうなるんだ。
僕は馬鹿だ。
あんなに捨てられたくなかったのに、
こんなに泣いて、何をしてるんだ。
