白竜と黒い池

 

 僕の名前は清水優斗。学校で、いじめられているのだ。だが、最初からそうだったわけではない。皆と話したこともあるし、仲良くしていた時期もある。
 僕は、話すのが苦手で、よく話を聞く方だった。仲良くしていた拓也は、僕の代わりに喋ってくれた。でも、それが、気にくわなかったのだろうか。
  いつからか、皆僕を無視した。
 影で悪口を言われる度、笑われ、からかわれ、にらまれ、罵られ、その度、僕は心の奥にある黒い靄がたまっていくのを感じた。それは、この小さな胸に収まりきらず、あふれでてしまう事もあった。
 拓也は、そんな僕を嫌わずに、いつも隣にいてくれた。
 だけれど僕は優しい人間では無かったから、靄が溜まって、どうしようもないとき、拓也に強く当たっていた。
 僕が辛い思いをすると、拓也はすぐに駆け寄ってくれる。そして「大丈夫?」と聞きながら、背中をさする。
 その時の拓也の顔を見ると、僕は不安になった。拓也、ずっとこうだったのか?
 拓也、僕の世話するの、面倒くさいんだろ。
 だが、それを言うことはなかった。そんなことを言えば、嫌われてしまう。捨てられてしまう。
そんなの、嫌だ
 それからいじめもひどくなり、他のクラスでも僕の陰口が広まったらしかった。でも、拓也にすがることなく、頼るとこなく過ごした。拓也も、最初は戸惑ったけど、きっと、こっちの方が、あいつも楽だ。そう思って、僕は、拓也から距離を置いた。