竜は白く、息をするのを忘れるほどの威圧と美しさだった。僕は、それから目が離せなくなった。吸い込まれそうな瞳に近寄る。もっと、前へ。
ずるっ
前へ来すぎて、池に落ちそうになった。けど、その体制のまま、僕の体は、浮いた。竜が、支えてくれていたのだ。
おそるおそる竜の体をさわる。案外固くて、冷たい。少しざらざらとした感覚が手から離れない。
「やめろ。」
心臓が飛び上がるかと思った。誰の…声だ?もちろん僕ではない。誰かに、見られた?
「何をしている。こっちだ」
もう一度声が発せられた。この声は…
竜だ。竜が、しゃべっている。
目の前のあり得ない事態に、僕の瞳は一点を見つめられず、さまよった。
竜が口を開ける。ねちゃ。という音と、共に白い息が吐き出された。
「では、今回の長(おさ)は貴様か。」
「は?」
ずるっ
前へ来すぎて、池に落ちそうになった。けど、その体制のまま、僕の体は、浮いた。竜が、支えてくれていたのだ。
おそるおそる竜の体をさわる。案外固くて、冷たい。少しざらざらとした感覚が手から離れない。
「やめろ。」
心臓が飛び上がるかと思った。誰の…声だ?もちろん僕ではない。誰かに、見られた?
「何をしている。こっちだ」
もう一度声が発せられた。この声は…
竜だ。竜が、しゃべっている。
目の前のあり得ない事態に、僕の瞳は一点を見つめられず、さまよった。
竜が口を開ける。ねちゃ。という音と、共に白い息が吐き出された。
「では、今回の長(おさ)は貴様か。」
「は?」
