『ねえ、小春』
布団の外から優しい声がして、ゆっくり撫でられた。
失いたくないよ、こんな優しい彼を。
『俺って、そんなに信用されてない?』
悲しそうに続く言葉は、どこか涙声で胸がしめつけられる思いだった。
『赤ちゃんできたら、一緒に育てたいよ、』
涙声で紡がれる、暁月の言葉。
『順番間違っちゃうかもしんないけど、それでもいいじゃん』
『できてても、できてなくても、結婚しよ?』
ゆっくりめくられる布団を拒む理由なんてなかった。
大丈夫だよ、って言ってるみたいな優しい目に見つめられてもう何も言えない。

