On The Bed Ⅱ 【短編】

さっきのあれ、夢じゃないよね。たった今まで藤本が私の隣にいて、こことここを抱きしめられてそれから……

思い出すだけで顔が熱くなる。

だけどどうなんだろう、藤本が私の彼氏になったってことでいいのかな?


「岸田さん、開けるよ」

先生がカーテンを開けてベッドのそばの小さな棚に、ほうじ茶を置いてくれた。


「あら、なんか熱がありそうな顔ね。体温計持ってくるから、お茶飲むのちょっと待ってて」


熱を測ってみると、平熱より少しだけ高かった。先生は風邪を引き始めてるかもしれないって言ってたけど、これは多分違うと思う。


「大丈夫です。少し寝たから授業に戻ります」

そのタイミングで授業が終わるチャイムが鳴った。