「そこの扉、開けてみて」





ドキドキする。優真くんのお部屋。


…私の写真とか貼ってそうだなぁ。
ぷっ、優真くんっぽいかも。


でもあれかな、シックな落ち着いた雰囲気なのかも…
でも爽やかでフレッシュな部屋も合うかもしれないなぁ…





「結衣、入らないの?」





「あ、入る!入ります!」





よし、いざ優真くんのお部屋へ…!





ガチャ














言葉が


出なかった






優真くんのお部屋は




壁中、写真でいっぱいだった







「…こ、これ…私?」





…私の写真。


目が合ってない、ってことは


隠し撮り…?


いや、でもこっちは優真くんと一緒の写真。ってことは付き合ってからの…


これは温泉旅行で撮った写真…




「ここは、結衣の部屋」




「…へ?」




「俺が1人で悲しくて寂しいとき、ここにいると結衣に包まれてるみたいで落ち着くから」




「…」





「…後悔した?この部屋を見たこと。
気持ち悪い…?」






正直



驚いた。




だって、あの道でばったり出会って


一目惚れで告白してくれたんだと思ってたから。




この写真はだいぶ前のもの。

私が病んでるときの…
この格好はこのときぐらいしかしてない。




「優真くん…ずっと前から…私のこと知ってたの?」





「うん。ずっとずっとずっと、結衣のことだけ見てきた」






「…そっ、か…それならそう言ってくれたら良かったのに…」






「…気持ち悪いと、思ったんでしょ。
俺のこと。ストーカーみたいだって。結衣。俺から、はなれないで。俺は結衣無しじゃ生きていけないんだから。結衣、結衣、結衣。絶対に逃がさないから。」






「ゆ、優真くん…??私、気持ち悪いだなんてそんな…!!」





気持ち悪いなんて思ってない。

ストーカーだなんて。




思ってない。









…思ってない。