今宵の月のように

その瞬間、チクリと私の胸が痛んだ。

そうか…。

そう言う理由で、宮本さんはずっと黙っていたんだ。

私が質問をしてもごまかしていたのは、全ては仕事のためだった。

一般市民の私を巻き込みたくなかったから口を閉じていたんだね。

「こより、本当に申し訳ない」

そう言ってもう1度頭を下げようとした宮本さんに、
「いいですよ、もう終わったことなんですよね?」

私は言った。

「ああ、長かったけど終わったよ」

宮本さんは首を縦に振ってうなずいた。

「本当に、黙ってて悪かった。

お前を守りたかったから黙秘を通してた」

「うん、もういいですよ」

私は宮本さんの頭に向かって手を伸ばすと、先ほど彼がしてくれたように頭をなでた。