「――ッ…!」

宮本さんの唇が私の唇と重なった。

ああ、やっぱりそうだった…。

やっぱり、キスされたんだ…。

いきなりキスされたと言うのに、どう言う訳なのか嫌悪感は感じなかった。

それが当たり前だとでも言うように、私は彼の唇を受け入れた。

そっと目を閉じると、間近にいる宮本さんの存在を感じた。

彼がどうして私にキスしたのかは、よくわからない。

単なる気まぐれか、それとも欲求不満だったのか。

理由はわからないけれど、彼は私にキスをしてきた。

キスしているその時間は長かったのか、短かったのかはわからない。

「――ッ…」

宮本さんの唇が離れたのと同時に、私は閉じていた目を開けた。

端正な彼の顔が目の前にあった。