今宵の月のように

えっ、いとこ?

「素敵ないとこねー。

もう、高緑さんも隅に置けないんだからー」

大家さんは少女のように顔を赤らめながら話をしていた。

「ああ、はい…」

どうやら、宮本さんは“いとこ”だと言ってごまかしたみたいだ。

何だ、心配して損した。

宮本さんのことをどう答えようかと考えていた自分がバカみたいだ。

そう思いながら大家さんの話を聞き流していたら、
「そう言えば、高緑さんは知ってるかしら?」

大家さんが聞いてきたので、
「…何をですか?」

私は聞き返した。

一体、何を知っていると言うのだろうか?

「この辺に、テロリストの集団が潜伏しているんですって」

そう話を返した大家さんに、
「…えっ?」

一瞬、何を言われたのかわからなかった。