今宵の月のように

エステサロンに入って2時間後。

「うわーっ…」

さっきまでの荒れ放題だった姿はどこへ行ったのかとツッコミを入れたくなるくらい、鏡の中の私は美しく変貌を遂げていた。

ショートボブの髪にはハリとコシ、ツヤが戻っていて若々しい。

少し切ってもらったこともあってか、頭に羽でもついているんじゃないかと思うくらいに軽かった。

ガサガサでひどく荒れていた肌はツヤツヤして、大学生だと身分を偽ってもいいんじゃないかと思った。

たった数時間エステにいただけなのに…。

美しくなった自分の姿に感動を覚えながら、私はエステサロンを後にした。

今から家に帰りたいかも。

宮本さん、美しくなった私を見てどんな顔をするのかな?

そう思いながら家に帰ろうとしたら、
「服がダメか…」

再びショーウィンドウに映った自分を見ながら、私は呟いた。