今宵の月のように

こうして外を歩いて、こうして手を繋いでいるこのシチュエーションがこんなにも嬉しいことだったなんて知らなかった。

「ほら、行くぞ」

宮本さんがそう言って手を引いたので、
「はい」

私は返事をすると、彼の隣に並んで一緒に歩いた。

「明日は仕事が休みだから、どこかへデートに行くか?」

そう聞いてきた宮本さんに、
「えっ、いいんですか?」

私は聞き返した。

「当たり前だろ。

どこかに行きたいところはあるか?」

「えーっと…」

「まあ、ラーメン食べながら考えればいいか」

そう言った宮本さんに、
「そうですね」

私は首を縦に振ってうなずいた。

こうして肩を並べて一緒に歩いていると言うだけなのに嬉しかった。