今宵の月のように

「えっ、いいんですか?」

思わず聞き返した私に、
「もうやるべきことは終わったし、何にもないんだろ?」

宮本さんが言い返した。

「美味しいしょう油ラーメンを出すラーメン屋に連れて行ってやるから」

「ら、ラーメン屋って…」

プロポーズをした後に連れて行く店がラーメン屋って…それって、どうなんでしょうか?

「何だよ、嫌かよ」

不服そうに言ってきた宮本さんに、
「嫌じゃないです、大歓迎です!」

私は慌てて彼の腕をつかんだ。

「あっ、すみません…」

そのことに気づいて離れようとしたら、
「今さら恥ずかしがることじゃねーだろ」

宮本さんはそう言って私と手を繋いできた。

彼のその手のぬくもりに、私の心臓がドキッ…と鳴った。