数日ぶりの透の家。ソファーに向かい合うように座ると透は離婚届と指輪をテーブルへ置いた。
「これを見つけたとき、身を引き裂かれるような思いがした。それくらい君を愛していたんだと分かったんだ」
泣き出しそうな目でそう訴える。
「ごめんなさい。……私と別れなければ、透さんが壊れてしまうと思ったんです」
美鶴は言葉を選びながら離婚届けを書いた経緯を話した。
「なるほどな。すべては冴木の指示か……」
「そうじゃありません。冴木さんも私と同じように透さんのことを想っているんだと思います。それが分かったから私は冴木さんの指示に従った。けれど最後に決断したのは私です。彼の責任を追及するようなことはしないでください!」
美鶴は透を見た。目をそらすことなく、真っ直ぐに。透の顔からは怒りが消えていた。確かに冴木のしたことは透を裏切る行為だ。しかしその行動のすべてが透のためであることは明白だ。
「君のおかげで有能な秘書を失わずに済みそうだ。美鶴、ありがとう。君は本当に素晴らしい人だ……抱きしめてもいい?」
「はい」
美鶴は立ち上がり透の前に立つ。「おいで」と手を広げた透の胸に美鶴は飛び込んだ。
久しぶりに感じる透の体温はとても心地がいい。
――もっと、もっと透さんを感じたい。
美鶴は彼の唇に自分の唇をそっと押し当てた。不思議なことに大胆な行動をしているとはみじんも思わなかった。彼を感じたい。その思いにただ突き動かされているだけ。
「これを見つけたとき、身を引き裂かれるような思いがした。それくらい君を愛していたんだと分かったんだ」
泣き出しそうな目でそう訴える。
「ごめんなさい。……私と別れなければ、透さんが壊れてしまうと思ったんです」
美鶴は言葉を選びながら離婚届けを書いた経緯を話した。
「なるほどな。すべては冴木の指示か……」
「そうじゃありません。冴木さんも私と同じように透さんのことを想っているんだと思います。それが分かったから私は冴木さんの指示に従った。けれど最後に決断したのは私です。彼の責任を追及するようなことはしないでください!」
美鶴は透を見た。目をそらすことなく、真っ直ぐに。透の顔からは怒りが消えていた。確かに冴木のしたことは透を裏切る行為だ。しかしその行動のすべてが透のためであることは明白だ。
「君のおかげで有能な秘書を失わずに済みそうだ。美鶴、ありがとう。君は本当に素晴らしい人だ……抱きしめてもいい?」
「はい」
美鶴は立ち上がり透の前に立つ。「おいで」と手を広げた透の胸に美鶴は飛び込んだ。
久しぶりに感じる透の体温はとても心地がいい。
――もっと、もっと透さんを感じたい。
美鶴は彼の唇に自分の唇をそっと押し当てた。不思議なことに大胆な行動をしているとはみじんも思わなかった。彼を感じたい。その思いにただ突き動かされているだけ。


