「……隠居なさるんですか? 確か現社長は血縁者ではないですよね。とても有能ではあるけれど……」
「後は美鶴ちゃんに任せるわ」
「待ってください。私が後を継ぐってどういうことですか? そもそもおばあちゃんの会社って?」
美鶴は慌てた。先ほどから話が見えないまま後を継げと言われてもどう返事をしてよいのかも分からない。
「美鶴ちゃんは時任建設って知ってるかしら?」
「もちろん、知っています。よくテレビのコマーシャルでも流れているし。とても大手の建設会社だと……」
母親の旧姓がトキトウとは聞いていたがまさか建設業界トップの時任建設だというのか。美鶴は八重子の返答を待った。
「そのとおりよ。私はそこの三代目。時任建設の創業者は建築士である時任貞子。貞子の遺言により女系で継承を続けているの。あなたが継げば四代目になるわね」
「私が四代目……」
継承しても自分に祖母と同様の仕事が出来るとは思えない。血の繋がりだけで経営者の椅子に座れるとも思っていない。しかし、
「松田組がやらなくなった四季リゾートの仕事を請け負うこともできるってこと……?」
もしそんなことが可能なら透と離婚しなくても済むのだ。
「美鶴!? それはまだ非公開の情報なんだぞ!」
慌てて口を押えるが遅かった。八重子は「あらあら」といいながら透を真っ直ぐに見つめた。
「後は美鶴ちゃんに任せるわ」
「待ってください。私が後を継ぐってどういうことですか? そもそもおばあちゃんの会社って?」
美鶴は慌てた。先ほどから話が見えないまま後を継げと言われてもどう返事をしてよいのかも分からない。
「美鶴ちゃんは時任建設って知ってるかしら?」
「もちろん、知っています。よくテレビのコマーシャルでも流れているし。とても大手の建設会社だと……」
母親の旧姓がトキトウとは聞いていたがまさか建設業界トップの時任建設だというのか。美鶴は八重子の返答を待った。
「そのとおりよ。私はそこの三代目。時任建設の創業者は建築士である時任貞子。貞子の遺言により女系で継承を続けているの。あなたが継げば四代目になるわね」
「私が四代目……」
継承しても自分に祖母と同様の仕事が出来るとは思えない。血の繋がりだけで経営者の椅子に座れるとも思っていない。しかし、
「松田組がやらなくなった四季リゾートの仕事を請け負うこともできるってこと……?」
もしそんなことが可能なら透と離婚しなくても済むのだ。
「美鶴!? それはまだ非公開の情報なんだぞ!」
慌てて口を押えるが遅かった。八重子は「あらあら」といいながら透を真っ直ぐに見つめた。


