「社長が婚約破棄をなさったことで、お相手の会社から業務提携を解除したいと申し出がありました。現在進行中の計画は頓挫し。大きな損失が出るのは必至。会長は大変お怒りのご様子です」
美鶴は息をのんだ。透が婚約破棄をしたのは建設会社松田組の令嬢で、志木リゾートと勧めていた共同事業からすべて手を引いたというのだ。
「突然そんな……」
「このような状況なのに社長は週に二度も会社に顔を見せない状態です。社員の中には社長に対する不信感を口にするものも出てきました。私も責任を追及されている……あなたも例外ではなくご両親の牧場への支援も中止せざるを得ないでしょう」
冴木は頭を抱えると、長く息を吐いた。美鶴が想像している以上に危機的な状況にあるようだ。
「冴木さん、私にできることはありますか?」
「すぐにでも離婚してください。それがわが社を救う唯一の方法です」
「--え⁉」
「松田組のご令嬢は、未だに社長との結婚を望んでいらっしゃるとのことです。考えてみてください。婚約破棄をされても社長のことを続けている大手建設会社の令嬢。かたや実家の面倒まで見なければならない普通の女性。どちらを選ばれたら幸せかを」
冴木の言葉はまるでナイフのように美鶴の心に深く突き刺さった。
美鶴は息をのんだ。透が婚約破棄をしたのは建設会社松田組の令嬢で、志木リゾートと勧めていた共同事業からすべて手を引いたというのだ。
「突然そんな……」
「このような状況なのに社長は週に二度も会社に顔を見せない状態です。社員の中には社長に対する不信感を口にするものも出てきました。私も責任を追及されている……あなたも例外ではなくご両親の牧場への支援も中止せざるを得ないでしょう」
冴木は頭を抱えると、長く息を吐いた。美鶴が想像している以上に危機的な状況にあるようだ。
「冴木さん、私にできることはありますか?」
「すぐにでも離婚してください。それがわが社を救う唯一の方法です」
「--え⁉」
「松田組のご令嬢は、未だに社長との結婚を望んでいらっしゃるとのことです。考えてみてください。婚約破棄をされても社長のことを続けている大手建設会社の令嬢。かたや実家の面倒まで見なければならない普通の女性。どちらを選ばれたら幸せかを」
冴木の言葉はまるでナイフのように美鶴の心に深く突き刺さった。


