凄腕救急医は離婚予定の契約妻を湧き立つ情熱愛で離さない

「なあ、美鶴。もうすこし力を抜いたら? 抱き心地が悪すぎる」
 透に苦笑いされても緊張した体は針金のように固いままだ。
「ごめんなさい。嫌なわけじゃないんです。ただ……」
「分かってるよ。緊張してるんだろ? 顔が真っ赤だ」
「もう! 分かってますからこれ以上なにも言わないでくださいっ!」
 非難の声をあげて視線を上に向けると近距離で透と視線が絡み合う。透の瞳に戸惑う自分の姿が映っている。
「分かったよ。なにも言わないし、言わせない」
 その意味を理解したのは透の唇が重なった時だった。柔らかくて熱い唇が一度離れ、角度を変えてまた触れる。それが何度か繰り返されると美鶴の緊張も徐々に解れていく。
「キスも初めて?」
 言葉にできずコクリと頷く。すると透は愛おしそうに美鶴の頬を撫でて、額や瞼にも唇を落としていく。
「美鶴もして?」
 そうねだられて、戸惑いながらも透の頬にキスをする。恥ずかしい、けれどこうして愛情を示せることが嬉しくてたまらなかった。
「透さんも」
 と美鶴はねだった。すると透は唇を深く合わせた。舌がゆっくりと滑り込んでくる。驚きながらも受け入れると透は美鶴の部屋着の裾から手を差し込んで背中にじかに触れた。
美鶴はびくりと体を震わせた。