「君は俺が思っている以上に男を引き付ける魅力があるみたいだ。あの研修医以外にも美鶴のことを狙っている医者が何人もいた」
「そんなはずありません!」
都会に出てきたばかりで仕事もできない自分に何の魅力があるというのだろう。美鶴は小さく首を振った。すると透はあきれたようにため息をついた。
「まったく、あまりにも無自覚すぎないか? だからあの研修医にも付け込まれるんだ。誰も美鶴に手を出さないように病院中に俺の妻だって言って回りたいくらいだ」
「どうしてそんなこと……」
「わからない? 君のことを誰にも奪われたくないからだよ」
「奪われたくない?」
美鶴は聞き返す。どうか間違いではありませんように、と願いを込めて。
「それって私のことが好きってことですか? 契約しているからではなく、ひとりの女性として?」
「ああ。俺は美鶴のことをひとりの女性として愛している。今日、ほかの男と一緒にいるところを見て、嫉妬で狂いそうになった。年下の男に詰め寄ってみっともないと思っただろう? 俺の都合で結婚してくれただけなのに本気になられちゃ困るよな?」
眉が少し下がっている。いつも自信に満ち溢れた透の意外な一面を見たきがした。美鶴は安心させるように微笑んで「困りません」と答えた。透は安堵したように息を吐いた。それから小さく咳払いをして抱きしめてもいいかと聞いてくる。透の耳が赤い。美鶴はゆっくりと瞬きをした。透との間にいつもあったはずの壁が今は見えなくなっている。
「はい」
美鶴が頷くと透は隣に座りなおし、頭を撫でた。透の大きな手から温かさが伝わってくる。やがてその手は背中へと下り、軽く引き寄せるともう片方の腕を回した。
「そんなはずありません!」
都会に出てきたばかりで仕事もできない自分に何の魅力があるというのだろう。美鶴は小さく首を振った。すると透はあきれたようにため息をついた。
「まったく、あまりにも無自覚すぎないか? だからあの研修医にも付け込まれるんだ。誰も美鶴に手を出さないように病院中に俺の妻だって言って回りたいくらいだ」
「どうしてそんなこと……」
「わからない? 君のことを誰にも奪われたくないからだよ」
「奪われたくない?」
美鶴は聞き返す。どうか間違いではありませんように、と願いを込めて。
「それって私のことが好きってことですか? 契約しているからではなく、ひとりの女性として?」
「ああ。俺は美鶴のことをひとりの女性として愛している。今日、ほかの男と一緒にいるところを見て、嫉妬で狂いそうになった。年下の男に詰め寄ってみっともないと思っただろう? 俺の都合で結婚してくれただけなのに本気になられちゃ困るよな?」
眉が少し下がっている。いつも自信に満ち溢れた透の意外な一面を見たきがした。美鶴は安心させるように微笑んで「困りません」と答えた。透は安堵したように息を吐いた。それから小さく咳払いをして抱きしめてもいいかと聞いてくる。透の耳が赤い。美鶴はゆっくりと瞬きをした。透との間にいつもあったはずの壁が今は見えなくなっている。
「はい」
美鶴が頷くと透は隣に座りなおし、頭を撫でた。透の大きな手から温かさが伝わってくる。やがてその手は背中へと下り、軽く引き寄せるともう片方の腕を回した。


