凄腕救急医は離婚予定の契約妻を湧き立つ情熱愛で離さない

美鶴の心配をよそに透は旨い旨いといってすべてを平らげた。
「ごちそうさま。後片付けは俺がやるよ。美鶴は風呂に入っておいで。話はそれからでいい?」
「もちろんお話はあとでいいですけど、片づけは私が……」
 立ち上がり皿を手に持つ。すると透も立ち上がり美鶴の手にした皿をそっと引き抜いた。
「俺だって皿洗いくらいできるさ。いい夫でいないと美鶴に愛想尽かされてしまいそうだしな」
 透は笑って言った。そんなことをしなくとも透はいい夫だ。数か月後に終わってしまうには惜しいくらいに。
「お風呂、入ってきますね」
「ああ、ゆっくりしておいで」
 透の言葉に甘えて美鶴は風呂に入った。自分が作った料理を一緒に食べて後片付けを透がする。結婚した当初は考えられなかったことだ。