凄腕救急医は離婚予定の契約妻を湧き立つ情熱愛で離さない

 土曜日の午後。美鶴のスマホに仲村からメッセージが届いた。これからカフェで勉強しないか、というものだった。特に予定もなかった美鶴は「行きます」と返信する。部屋着から着替えてヘアメイクを整えると書斎のドアをノックする。
「透さん。少し出かけてきます」
 そう声をかけると部屋から透が顔を出した。
「気を付けていっておいで。夕飯は一緒に食べようと思っていたんだが何時頃帰ってくる? 場所が分かれば迎えに行くよ」
 珍しい誘いだった。土日なく仕事をしていることが殆どで家にいても顔を合わせることもあまりなかったというのに。
「分かりました。そんなに遅くはならないと思いますけど。また連絡しますね。いってきます」
「分かった。いってらっしゃい」
 透に見送られ家を出る。そんな些細なことでも透から気にかけておらえるだけで美鶴は嬉しかった。