「透さん、本当にありがとうございます」
「急に改まってどうした」
美鶴につられるように透も背筋を伸ばす。
「なかなか感謝を伝えるタイミングがないから今言わせてください。養父母の牧場の事です」
就職することを伝えるため、久しぶりに電話を掛けた。美鶴の代理の作業スタッフは
知識が豊富でそれを惜しみなく伝えてくれていそうで生乳の質も断然よくなったのだと明彦は興奮気味に話してくれた。さらに透の会社が介入したおかげで牧場の事業は上向きつつあるようで美鶴はとても安心した。自分がいなくなって養父母が落ち込んでいるのではないかと想像していたが現実はそんなこともなく元気に暮らしているみたいだった。そのことを透に伝えると「それはよかった」と微笑む。
「わが社はリゾート開発がメインだが、一次産業を活性化させる事業にも力を入れているんだ。美鶴のご両親の牧場はとてもいいモデルケースになった。ECサイトの商品開発も進めているし、新しくオープンするホテルのレストランとも提携してもらう予定だから経営は以前より安定するはずだ」
透の口から“安定”という言葉を聞いて、美鶴はさらに安堵する。
「よかった。なにもかも透さんのおかげです」
美鶴は深く頭を下げ、感謝の想いを伝える。すると透は小さく首を振った。
「いいや。すべては美鶴が決断したおかげだろ。俺も親の勧める結婚を一旦は回避できた。父親は離婚しろと毎日うるさいけど、仕事で結果を出せば問題ない」
その言葉通り透は毎日、早朝から深夜まで透が仕事に打ち込んでいる。経営難に陥っていた牧場をあっという間に立て直すほどの腕があるのだからどんな仕事でも同様かそれ以上の成果を上げているのだろう。
「頑張ってください」
「ああ、美鶴の事早く解放できるように頑張るよ」
そう宣言する透の言葉に何故か虚しさを感じて美鶴は戸惑いを隠すようにシャンパンを煽った。
「急に改まってどうした」
美鶴につられるように透も背筋を伸ばす。
「なかなか感謝を伝えるタイミングがないから今言わせてください。養父母の牧場の事です」
就職することを伝えるため、久しぶりに電話を掛けた。美鶴の代理の作業スタッフは
知識が豊富でそれを惜しみなく伝えてくれていそうで生乳の質も断然よくなったのだと明彦は興奮気味に話してくれた。さらに透の会社が介入したおかげで牧場の事業は上向きつつあるようで美鶴はとても安心した。自分がいなくなって養父母が落ち込んでいるのではないかと想像していたが現実はそんなこともなく元気に暮らしているみたいだった。そのことを透に伝えると「それはよかった」と微笑む。
「わが社はリゾート開発がメインだが、一次産業を活性化させる事業にも力を入れているんだ。美鶴のご両親の牧場はとてもいいモデルケースになった。ECサイトの商品開発も進めているし、新しくオープンするホテルのレストランとも提携してもらう予定だから経営は以前より安定するはずだ」
透の口から“安定”という言葉を聞いて、美鶴はさらに安堵する。
「よかった。なにもかも透さんのおかげです」
美鶴は深く頭を下げ、感謝の想いを伝える。すると透は小さく首を振った。
「いいや。すべては美鶴が決断したおかげだろ。俺も親の勧める結婚を一旦は回避できた。父親は離婚しろと毎日うるさいけど、仕事で結果を出せば問題ない」
その言葉通り透は毎日、早朝から深夜まで透が仕事に打ち込んでいる。経営難に陥っていた牧場をあっという間に立て直すほどの腕があるのだからどんな仕事でも同様かそれ以上の成果を上げているのだろう。
「頑張ってください」
「ああ、美鶴の事早く解放できるように頑張るよ」
そう宣言する透の言葉に何故か虚しさを感じて美鶴は戸惑いを隠すようにシャンパンを煽った。


