凄腕救急医は離婚予定の契約妻を湧き立つ情熱愛で離さない


「噂をすれば、だ。出ていい?」
「もちろん」
 透は電話に出た。女性の声が漏れ聞こえてくる。親しげに会話する姿を美鶴はじっと見つめていた。
「今から診てくれるらしい」
「女の先生?」
「そうだよ。男に美鶴の診察を頼むなんて俺は絶対に嫌だ」
 美鶴は笑ってしまった。一瞬でも電話の向こうの女医に嫉妬した自分が馬鹿らしい。
「何笑ってるんだ?」
 少しムッとした顔で透が聞く。
「ごめんなさい。悪い意味じゃないの。愛されてるんだなっておもって」
「もちろんさ。美鶴もこの子も、ひかれるくらい溺愛するって決めてるんだから。覚悟しろよ」
 もうすでに親ばかぶりを発揮している透に美鶴は感謝を込めてキスをする。
本音を言えば二人きりの生活を楽しみたかった。けれど、三人での生活もきっと幸せでいとおしいものになるのだろう。