凄腕救急医は離婚予定の契約妻を湧き立つ情熱愛で離さない


「あの。宿泊の手続きがまだですが?」
「もう済んでおりますのでご安心を」
「は、はぁ……」
 訳も分からないうちに部屋へ通されたかと思うとサービスだというエステを受けることになった。
「すみません。これって予約したプランにはいってましたっけ?」
 不安に思った美鶴はスタッフへ確認するが「大丈夫ですよ」と笑顔で返事を濁されてしまう。そうこうしているうちにエステが終わりまだ別のスタッフが入ってくる。促されるまま椅子に座るとヘアメイクを施される。正面に鏡がないのでどんな仕上がりかは分からなかったがだいぶ手の込んだヘアスタイルになっていそうだ。
「お疲れさまです。次はこちらへ」
ガウンのまま部屋の中を移動する。想像以上に部屋数が多い。備え付けられた家具も高級品だ。スウィートルームなのだろうか。
奥の扉が開かれると純白のウエディングドレスがハンガーに掛けられている。幾重にも重ねられたオーガンジーのスカートがとても美しい。美鶴は足を止めた。