俺らと同じくらいの女が一人、テーブルから立ち上がっている。


そこから彼女の視線を辿ってみると――通路を挟んだ隣を見ていた。



ああ…あいつらか。


俺らが来た時から、ガハガハと騒いだり喚いたり、禁煙席で煙草吸ったり……

いわゆる、タチの悪い迷惑客。


そいつらから注文を取ってたウエイトレスは、いろいろいちゃもんつけられたりで、涙目になってて、かわいそって同情したくらいだ。


そんな奴らに、タンカ切るなんて――勇気あんなー、くらいにしか思ってなかった。


しかも女の子。
一体どんな子だろう?

野次馬精神で、始終を眺め続けることにした。



『あ゙?なんだよ?』


『あんた達、さっきからすっごい迷惑なのよ!』



ストレートに言われた男達は、はあ?って顔をして彼女を見上げてた。


『そんなこともわからないの?』


彼女の言葉に一人の男が立ち上げる。



『お姉ちゃんさー、可愛い顔して言うねぇ。何?僕らにはここで食べる権利もないってー?』


にやつきながら、彼女と同じ高さに顔を合わせて喋る。



『そうね、周りの人の迷惑もわからないあんた達にはないわね』