怒って、る?
そう聞いたらきっと、
怒られるんだろうな。
でも俺は知りたいよ。
どうして怒ってるの?
どうして泣いてるの?
『あんた、最低…』
俺が聞こうとしたら、先にれいちゃんが口を開いた。
『え?』
れいちゃんから喋ってくるとは思わなくて、驚いて思わず出た。
『キスっ!誰にでも簡単に出来ちゃうんだね!!最低っ!!』
気を抜いて、力を抜いていた俺はパシッと捕まえていた腕を振り払われた。
さっきまであったか細い腕の感触がなくなり、手の中には空虚だけが残る。
感触さえもすぐに消えてしまった。
さっきのあの状況なら、そう思われても仕方ない。
いや、確かに今までの俺はそうなんだ。
キスなんて、簡単なものだった。
顔をあげると…れいちゃんは怒ってると思ったのに、泣いていた。

