『んー、そうだね。じゃあれいちゃんが終わるまで待ってよ〜かな〜♪』


俺は両腕を組んでカウンターへと乗せて近づき、ニッと歯を見せながら笑ってみせる。



『はあっ!?やめてよっっ!!』


彼女が大きな声でそう叫んだ瞬間、店内は静かになった。


彼女は、あ…と口を手で覆う。


俺はその顔を見た瞬間、更に口元が緩んで、心の中ではやった!と思った。




なんでこんなことやっているんだろう?自分でも時々思う。

こんな無愛想で俺のこと嫌ってる子なんか…。


だけど、あの日からもう無理なんだよ。



『れいちゃん駄目だよー?』



ニヤつきながら俺はこんなくだらないことをして、俺にしか出来ないさやかな幸せを感じてるんだ。





ねえ、れいちゃん?
君にとって俺は迷惑な彼氏の友達かもしれない。

だけど――…君は知ってる?
俺はあの日から、いつも君を想ってるんだ。
親友の彼女だと知っても。