『こんなところで会うと思わなかったわ』
『俺もです。髪伸びました?更に綺麗になりましたよ』
『悠は相変わらずね〜。口が上手いっていうか…それで何人の女の子が騙されたのかしら?』
古傷をほじくり返され、少しいたたまれない気持ちになる。
ははっ、と苦笑いをして相槌を打つ。
『その分じゃ、今もまだそうみたいね。あたしがあの時言ったこと、覚えてる?』
一瞬、なんだったっけ?って思ったけど、思い出した。
――悠はあたしのこと、本気で好きなじゃないんでしょ?――
――きっと悠は、自分かに本気になったりしないのよ――
そうやって…俺は振られた。
……けど。
今はあの時の俺とは違う。
『いや、そんなことないっすよ?』
ふっと筋肉を緩め、笑って言った。
俺は、れいちゃんに出会ったんだ――。

