「紗夢っ!お、お待たせっ…はあ…」


「もー寝坊しないでよね?じゃ、行くわよ?」


「うんっ!行こ行こ!」


…んん!?あれって………


「紗夢、ねえ見て…あれってさ、蓮斗君じゃない?」


「ん?……ほんとだ。」


目を大きく開けて驚いている紗夢。


よく見たら彼女と一緒。


でも、あの彼女はこの前の人とは違くて、別の人だった。


「莉羽、行くわよ。映画に遅れちゃう。」


「あ、うん。そうだねっ」


バチッ


また、目が合ってしまった…。


「やあ、こんにちわ。昨日ぶりだね。」


「あ…う、ん。そ、そうだね。」


「莉羽?……蓮斗君じゃない。何か用?」


「相変わらず冷たいなあ。少し話しただけじゃん。嫉妬しちゃったの?可愛いなあ。」


「は?あんたに嫉妬?何言ってんの?頭いかれた?」


「嫉妬じゃないのかあ、残念。元カノだから嫉妬したのかと思った〜。」


元カノ?誰が?紗夢が?うっそ……。


チラッ


紗夢…泣きそうじゃん…。


「さーーゆーー映画!始まっちゃうよお!行こっ!ね?」


「あ、う、うん……あ、蓮斗君、莉羽に触れないでね。絶対に。」


最後の方は聞こえなかったけど、なにか喋ってたのかな?


その前に紗夢が蓮斗君の元カノってことにびっくりしたんだけど…。


でも、今はその話しちゃダメだよね。