「よかったぁ…。」
ほっと胸を撫で下ろす。

「こちらこそ、急に責めるような真似をして悪かった。」
部長が申し訳なさそうに目を伏せた。

「いえいえ!誤解させるような発言をしたのは、私ですし。」
と、慌てて私は否定する。


視線を私に戻した部長は、数秒の沈黙の後、不敵な笑みでこう言った。

「ってことは、これからは甘えてくれるんだ?」

先程の口調へ戻った部長に、少しドキっとされられてしまう。


「そ、そうなるんですか!?」
焦って聞き返す私の鼓動が、普段より速いのは明らかで、心が次第に波音を立てる。