「どうしてそう思う?」
部長は、まだ低いトーンを貫く。
「だって部長は、入社当初から、私に対して厳しかったじゃないですか。私が1人で仕事が出来るまで、妥協はしませんでした。
それに不満はありません。あの1年がなければ、私はもっと仕事ができていないでしょうし。」
部長との今日までを振り返って、不意に涙が出そうになる。
「だから、こうして3年経った今でも、
私は……部長に認めてもらいたくて、部長に必要とされたいんです。
本当は心細かったり、不安だったとしても、部長にだけは…それを隠してきました。」
部長の姿を思い出し、『Venus』を守ってきた3年間。
これが私の全てで、とうとう部長に打ち明けてしまった。

