皆の視線が一点に集中する。 そこに立っていたのは… 「水瀬チーフ……?」 私は、思わず呟いた。 周りからも、同様の声が少し聞こえる。 「おお!お疲れ様! 紹介しよう、新しく制作部長に就任する 水瀬 要(みなせ かなめ) くんだ。」 「ご紹介有難うございます。 水瀬です。以前、このフロアで雑誌企画課に所属していました。 皆さんと、素敵な書籍を送り出していきます。どうぞ宜しく。」 堂々と挨拶をした姿に、 フロア全体が拍手に包まれる。 私も、その中の1人だった。