部長が彼になる5秒前


「好きなだけどうぞ。」

背後にいるためよく分からないが、そう言った部長は、少し微笑んでいるように見えた。


許可が降りたため、遠慮なく部長の背後に隠れる。まるで、もう私が背後霊だ。

入口からその状態で進んでいく間、私は、今まで知らなかった部長の姿を知る。

大きな背中と、細身だが締まった腕の筋肉、
握る手も、私よりひと回り以上大きい。

ああ、 "男の人"って感じ。
そう思った瞬間、急に目の前の彼を意識してしまう。



と思った矢先だった、、、



「ぎゃあああああ、ごめんなさあああい!」