「はい!帰りは絶対寝ません。」
勢いよく返事をして、頭を下げる。
「そういうことではなくて…
もう、いい。行くぞ。」
部長が早足で歩いていく。
その後ろをついて行きながら、私は言葉の意味を考えるのに必死だった。
*
「……やっぱり、部長、ムリです。」
「何を言っている。何のためにここまで来ているんだ。」
「ムリですってえええええ!!!」
叫びながら、私は、お化け屋敷の入口から動けずにいた。
正直、部長と2人っきりになること以上に懸念していたのは、これ。
私が、大のホラー嫌いということだった。
メディア向けの説明会が終わり、実際に体験していく段階に至ったのだが、説明会の時点で軽く半泣き状態だった私には、最早地獄。

