取材先であるテーマパークまでは、車で走ること約3時間。
着くまで、会話がもつか心配だったが、その心配は杞憂に終わった。
何故なら……
「まさか3時間爆睡されるとはな。」
部長は、いつもよりワントーン低い声でそう言って車を降りた。
「申し訳ありませんでした…」
そう、私は前日緊張のあまり眠れなかったことや、早朝準備に時間がかかったこともあり、車の中で深く眠ってしまった。
「大体、車の中で寝るなんて、危機感が無さすぎるんじゃないか?」
「危機感……?」
とは、一体。
ピンときていない私に、部長は溜息をつく。
「まぁ、私がそれだけ信用されているということか。ただ……次は無いと思った方がいい。」

