「課長にもお伝えした通り、言いませんよ。
第一、部長は、恋愛記事に関しては言及しないルールです。」
内心 冷や汗をかきながらも応戦する。
「……そうだったな。」
くすっと笑いながら、部長はスーツのポケットを探り始めた。
どうしたんだろう、と思っていると、
私の目の前に2枚の細長い紙が差し出された。
「"夏イベント"かは分からないが…
…一緒に行くか?」
その言葉を聞いてから、目の前の紙を見る。
黒地に赤い文字が印刷されたその紙には、ゾンビのようなイラストが描かれていた。
「な、なんですか…これ?」
そのインパクトに、私の顔が引き攣る。
「お化け屋敷だ。」
部長が平然とした様子で答えた。

