課長のお気遣いは嬉しいが、これからその本題に対して、部長で試そうとしているのだから、ネタバレするのは非常にマズイ。
「応援して頂きたいのは山々なんですが…
水瀬部長には、一度完成してから拝見して頂きたいんです。」
南課長に眉を下げて、そう告白する。
嘘は言ってないです、私。
「ほぉ……それもそうだね!じゃあ私は、この後取材先に行く用があるから。
水瀬くん、8月号もお楽しみに〜〜」
なんて言いながら、軽快な足取りで南課長は会議室から先に居なくなってしまった。
「「………… 。」」
私と部長の間に沈黙が流れる。
「課長の言う『夏のイベント…』とは何だ。
例の恋愛記事の企画案か?」
片眉を上げて、部長がこちらを向く。

