部長が彼になる5秒前


「分からない、か…」

部長は、複雑な表情で呟いた。

せっかく、憧れの部長と一緒に帰っているのに、私は、こんな相談をしてしまう自分が情けなかった。

早く恋愛自体を思い出して、
企画を成功させたい。



「佐野、1つ提案がある。」

しばらく黙っていた部長が、
そう言ってこちらを向く。

何だろう…


「私が、君の "仮の" 恋人になる。」


……え、今何て言った。
部長が、、、私の……


「恋人!? 駄目ですよ!
何を言ってるんですか!!!」

「何故駄目なんだ?」